85歳の父親が老人ホームに入居しました

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いつかはこういう事態になることは覚悟していましたが、ついにその日が来ました。

85歳で認知症の父親が老人ホームに入居することになったのです。私は兄との二人兄弟ですが、兄は転職を機に地方移住をしたため、父親に老人ホームの必要性が生じたときは私が手続きをすることに決めていました。

今回は56歳の私が父親を老人ホームに入居させた際の体験談を紹介します。

老人保健施設では面倒を見てもらえなくなった

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横須賀市に住んでいる父親は当初、地元の老人保健施設に入所していました。週に5日、午前9時に迎えの車が来て介護スタッフと一緒に保健施設へ向かうのです。この施設にはさまざまな症状の老人が入所しています。手すりをつかみがなら歩ける人もいれば、車椅子生活の人もいますし、ずっと寝たきりの人もいます。

そして食事に関しては、食べるスピードによってグループ分けが実施されているのです。私の父親は最も遅いグループに分類されていました。またこの保健施設で働いている介護スタッフも、ユニホームの色でグループ分けがされています。

着ているユニホームの色で、それぞれの担当する業務に違いがあるのです。そんなある日、担当の介護スタッフから私に電話があり、こんなことを言われました。その内容は「お父さんは両脚の筋力が著しく低下していますし、認知症も悪化しています。

当施設で面倒を見続けるのは困難になりつつあるので、老人ホームへの入居を検討してください」というものです。最近の父親の様子を見ていると、こんなふうに言われることはある程度想定できていたので、私はお世話になっているケアマネージャーさんにすぐに連絡をし、保健施設の介護スタッフから言われた内容を伝えました。

ベストタイミングで有料老人ホームが一部屋空いていた!

ケアマネージャーさんは自宅付近の老人ホームを探してくれました。すると特別養護老人ホームは入居不可能で、少なくとも2~3年は待たなければならない状況でした。しかし有料老人ホームは、たまたま横須賀市内で空きが一部屋できたタイミングで、入居が可能だったのです。

早く決断しないと他の希望者に取られてしまうので、私は「申し込みます」と即答しました。この有料老人ホームは横須賀駅から徒歩20分ほどの住宅街にあって、入居者が18名のこぢんまりとした施設です。

間取りは6畳のワンルームでベッドと収納棚が作り付けになっています。洗面台と温水便座付きのトイレもあります。食事はホールで食べることになりますが、定員が少ないためアットホームな雰囲気がありました。

有料老人ホームの料金について

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有料老人ホームでは、毎月の家賃の他にさまざまな料金が発生しました。まず月額払いの家賃は6万5千円ですが、入居費が50万円もかかりました。月額払いは家賃以外に管理費と食事代も請求されます。管理費は3万7千円で、食事代は4万2千円です。

ちなみに管理費には、光熱費も含まれています。そして見落としがちなのが、洗濯代とおむつ代です。父親が入居する老人ホームでは洗濯代とおむつ代が管理費には含まれないので、別途で請求されることになりました。入居費は分割払いも可能ですが、最初の見学の際に「10万円だけ先に振り込んでください」と言われました。

いわゆる申し込みを確定させるための手付金というものです。父親は自営業だったため、国民年金だけは老人ホームに毎月支払う料金が足りません。でも父親は将来的に老人ホームに入居する日のことを見据えて、若いころから預金をしていたのです。

この預金のおかげで、私が料金を負担することはありませんでした。

老人ホームへの提出書類について

料金に関しては問題ありませんでしたが、必要提出書類に関してはいろいろと面倒なことがありました。印鑑証明と住民票は父親のものと身元引受人である私のものがそれぞれ必要になります。私の印鑑証明はスムーズに発行されましたが、父親のぶんはなかったので私が横須賀市役所に行って登録申請をしました。

しかし代理登録という扱いになってしまうため、発行までに時間がかかったのです。その他には、入居者本人の介護保険証、健康保険証、老人医療受給者証、健康診断書なども老人ホームに提出しなければなりません。またケアマネージャーさんからは介護変更申請を打診されました。

父親の介護は「4」でしたが、変更申請をすれば「5」になる見込みだそうです。私はケアマネージャーさんから言われた内容をもとに介護変更申請をしました。すると見込み通りに介護が「5」になり、有料老人ホームでのサービスが受けやすくなったのです。

有料老人ホームから私に提出された契約書は、かなり厚みのある書類でした。事故が起きたときに責任の所在をどうするかということが、契約書には長文で記載されています。父親は認知症であるためそれぞれの項目に対して、身元引受人である私が署名と捺印をしなければなりません。

契約書に目を通すだけでも相当な時間がかかりましたし、最終的にはペンと印鑑を持つたびに指が痛くなってしまいました。

入居して1週間でトラブルが発生した

契約書のすべての項目に署名と捺印をし終わり、父親の入居日が正式に決まりました。そして老人ホームでの生活が始まった日に、改めて私と施設長の二人で話し合いの場が設けられたのです。その場で私は「最近の父は少食気味なので、食欲がなさそうだったら食事の量は半分にしてくれても構いません」と「父は食べるスピードが遅いので、他の人が食べ終わったとしても無理に急かさないでください」ということをお願いしました。

施設長は穏やかな笑顔で「わかりました」と言ってくれました。しかし入居して7日目に父親が39度の高熱を出して、救急車で病院に搬送されたのです。点滴だけで熱が下がったので入院の必要はありませんでしたが、医師からは「軽い肺炎」という診断結果を伝えられました。

そこで私は老人ホームでの食事介助のミスを疑ったのです。入居日の打ち合わせで私が施設長に言ったことが、介護スタッフにちゃんと伝わっていなかったのかもしれません。しかし介助ミスで誤嚥性肺炎になったことを証明するのは、私にとってとても困難なことです。

老人ホームにおける介助内容の希望は、たとえ相手が施設長であったとしても口約束はしないほうが良いでしょう。希望することがあればできるだけ早い段階で老人ホーム側に伝えて、双方で合意したうえで契約書に記載してもらうことが推奨されます。

将来に備えて、親の預貯金や退職金を確認しておきましょう

私の場合は金銭面の問題はありませんでしたが、ケアマネージャーさんの話によると民間の有料老人ホームで空きがあっても、お金が足りないために泣く泣く諦めるケースも多いようです。もしあなたの親が定年後にマイホームのリフォームをしようとしていたら、聞きづらいことではありますが介護が必要になったときに有料老人ホームで生活する資金をちゃんとキープしているかどうかを確認してみてください。